ステーサーの歴史
STACER社は1960年にヨーロッパ系オーストラリア人がオーストラリア・ビクトリア州メルボルンにて創業しました。その後1990年に「OMC (Outboard Marine Corporation)オーストラリア」によって買収され「OMC STACER」となり、同社のボートは「Johnson & Evinrude」船外機の販売系列で拡販していきました。キサカがSTACERの取り扱いを開始したのはこの時代です。

その後、再び1999年8月に現在のオーナーシップをもつ「TELWATER社」によって買収され、2000年に現在の工場があるニューサウスウェールズ州ゴールドコースト郊外に移転しました。

現在、この「TELWATER社」はオーストラリア最大のアルミボートビルダーであり、2000年〜2004年にかけて建てられたゴールドコースト工場は最新の設備と広大な敷地で年間数万台のアルミボートを生産しています。

オーストラリア国内及び日本、ニュージーランド、アメリカ、ヨーロッパなどへもアルミボートを輸出し、オーストラリアで最も進んだ開発力、優れたデザイン性と安全性は、世界各国で高い評価を受けています。また「TELWATER社」ではこの「STACER」と日本でもお馴染みの「QUINTREX / クイントレックス」との2つのブランドを生産していますが、それぞれのブランドは独立した規格やコンセプトを持ち、販売網も異なります。

※STACERジャパンモデルはキサカの企画、及びTELWATER社との共同デザイン開発で製造し、すべて日本国内のみでの発売となっています。
ステーサーの名称の由来
1960年ビクトリア州メルボルン郊外のアルトナと言う町で創業したSTACER社は、当時のボートデザイナー兼ボートビルダーの「Ernie “Sta”ler」氏と、ボートビルダー兼セールスマンの「Horst “Cer”n」氏それぞれの名前の一部から名付けられました。
オーストラリアはアルミニウムの原料となるボーキサイトの産出国であり、アルミボートを始めアルミニウムを使用した産業が盛んです。国内のボート需要も 6mクラスまでの大半がアルミボートで、アルミボートメーカーはガレージメーカーを含めるとかなりの数があるようです。STACERの旧メルボルン工場もラインが整備された工場と言うよりも、頑固な職人が多い大規模な鉄工所の雰囲気がありました。表の看板も昔ながらの雰囲気が感じられるデザインでした。現在は既に閉鎖されています。
品質(最新の設備とハンドメイドの融合)
STACER工場にて製造されるアルミボートは主に以下の流れで製造されます。

<1>コンピューター制御によるプラズマカッター(切断機)でマリングレードのアルミシート(板)から各モデル用の型に合わせボトム、サイド、トランサムなど各ハルの部材板を裁断します。
<2>大型プレス機で裁断した各ハルにストレーキなどを成型し、ベンダーで曲げ加工を行います。400SFに採用されている「EVO」や「フレアードV」ハル形状などもこのパートでストレッチ成型されていきます。
<3>センターキール、チャイン、ガンネルなどの骨格部材もベンダーで曲げて成型します。
<4>上記<2><3>で成型したそれぞれの部材をTIG溶接(手動溶接)で仮付けした 後、MIG溶接(半自動溶接)で接合していきます。
<5>ここまで仕上がると、外郭の状態で水槽に浸け、水漏れなどのテストを行います。
<6>内部のフロアーリブ、バルクヘッドなどの補強部材やシート(浮力体)、バウデッキ、インナーレールなどをセットします。これでほぼボート本体は完成です。
<7>この後、ペイントタイプのボートは塗装ブースに、デッキ付きのボートは内装ブースに流されて仕上げを行います。
以上がSTACERアルミボートの製造工程です。

STACER 工場ではすべての工程で最新の機器を導入することで生産効率を上げていますが、溶接を多用するオーストラリア製アルミボートの場合、季節による気温差などの条件によりベンダーによる曲げ加工や溶接時に発生する熱で部材(アルミ)の伸縮などが異なってきます。STACERではこのような場面で職人的な勘が必要になってくるアルミボートという製品の特徴を踏まえ、最新の設備で効率化を図りながらも、このハンドメイド的な部分を重要視して最終的には機械ではなく各工程ごとに工員が品質保持の管理を行っています(同じアルミボートでも小型艇にはリベットを多用するアメリカ製アルミボートとはコンセプト、形状、部材、製造工程など異る部分が多々あります)。
JAPAN MODEL(日本仕様について)

日本でアルミボートというとバスフィッシング用のイメージが強いのですが、実際には多種多様です。まだまだバスフィッシング自体がマイナーだった 1990年代のオーストラリアでは、STACERジャパンモデルの開発に時間を要しました。ベースとなるボートを選ぶと言うよりも、一から専用のボートを創る必要がありました。1990年代半ばのバスフィッシングブーム期には多くの日本の会社がオーストラリアからアルミボートを輸入販売しましたが、実際に日本のバスアングラーのニーズに合わせて開発した会社が少なかったことから、STACERがシェアを広げる結果となりました。

キサカはSTACERとの契約が始まった1996年から、実際にバスフィッシングやトーナメントにも参加する販売スタッフや開発スタッフをオーストラリア工場へ頻繁に派遣し開発を行ってきました。実際にバスフィッシングをやり、カートップやトレーラーでボートを運搬し、一般ユーザーと同じ視線で開発に取り組んだからこそ、いくつものアイデアや形状を工場にフィードバックすることができました。
それは走行性能や安定性といったバスフィッシング向けの性能のみではなく、保管や運搬条件に応じたサイズなど、日本での諸事情を考慮した仕様ということです。
テスト

STACER工場はマリーナに隣接し、キサカの社屋もまた大阪湾に通じる水路に面し、いつでも走行テストを行える環境にあります。例えば重量のある4 ストローク船外機やプロペラとのマッチング、船外機の取り付け位置などは、テストから得られる様々なデータが開発や改良のための裏づけとなるのは言うまでもありません。
テスト

前述のような工程で開発・製造されているSTACERは非常に完成度の高いアルミボートです。ただ、バスフィッシングのトーナメントがスタートしてまだ間もないオーストラリアでは、バスボート用のパーツが乏しいのも事実です。例えばライブウェルなどはシステムのノウハウやパーツ自体も不足しています。そのためSTACERにはアメリカ製のパーツを使用することでより扱い易いボートに仕上げています。
そして、ボート自体の入荷時にも一艇ずつ細かく検品を行っています。キサカでは溶接機やプラズマカッターを設備し、STACER社と同レベルの修復作業が行えます。また、船外機やトレーラーのセッティングも販売店のリクエストで行っています。
キサカはSTACERアルミボートを自信を持って日本のバスアングラーにお届けします。